~いざ、美しき軽井沢の森へ~

春から夏へ

春から夏へ

春から夏へ。。。

■色直し萌ゆる緑に恥じらいて
霞みを纏う春紅葉(もみじ)かな

■うたかたの命といえど燃やすれば
笑みぞこぼるるスミレ草かな

■花びらと見紛う白の羽根やすめ
いのちをつなぐ春のてふてふ

■風吹けば光こぼれる葉の陰に
過ぎゆく春の名残りを惜しむや

■誰も見ぬ路傍の脇で背を伸ばし
たんぽぽ花の笑みぞ眩しき

■木漏れ日の薄き光を集めては
葉影も眩しき山吹の花

■石楠花の白の向こうに見え隠れ
山の緑ぞいと温きかな

■梅雨の入り咲き急ぐなよヤマツツジ
飛沫の中に赤を散らして

■色変えて花をつなげるツツジ属
道ゆく人にその名を問わむ

■ゆくひとに何をか語らむツメ草の
恥じらいて染める頬ぞゆかしき

■せせらぎの色を纏いてゆく山女魚
うぐいす見惚れて歌を忘れぬ

■クサノオウ手折るなかれと顔背く
そのいじらしさに吾手をおろさむ

■蛍火と見紛うほどのクサノオウ
ひとり静かに何をか想う

■おだまきの淡き紅色ふるわせて
春の名残りを惜しみ楽しむ

■辷りゆく時間と競いて色変える
森のみどりに我を忘れむ

■蜜もとめ森にさまよう蝶の翅
広げて咲かせる一輪の花

■ゆかしきは蝶の想いを止めむとて
笑み浮かべたるたんぽぽの花

■蔓性の女王と呼ばれしクレマチス
薔薇へのつなぎに色をなせるか

■星屑の青と見紛うヴェロニカの
花を連ねて空へ届けむ

■雨だれに頷き返すバラの花
ガラスの向こうに何を認めむ

■葉陰さえ濡らして落ちる水無月の
雨に緑の色ぞうつりぬ

■ホオの葉もクリに寄り添い陰をなし
小さき仲間を招きいざなう

■豹紋の薄きその翅ふるわせて
花のいのちを惜しむてふてふ

■行き止まり振り返り見ればヒキガエル
フラッシュ浴びて恥じらい目を伏す

■母栗鼠になりたる命愛しくて
足忍ばせて胡桃置きつる

■装いも化粧もいらぬ野の薔薇の
白さに童も手折りを忘れむ

■儚げなシャンパン色の薔薇の香に
子供の頃見た夢が漂ふ

■薔薇の花抱きしめたるは儚げな
時に重ねむ我が青春の夢

■待ちわびて少女のように頬そめる
薔薇のつぼみよゆるゆると咲け

■湧き出でる靄に融け入る花々の
色身に纏う精霊の庭

■精霊の衣(きぬ)擦れ合えば七色の
光降りたる霧深き森

■朝靄のヴェールを纏いて隠れても
赤ぞこぼれる大輪の薔薇

■想いびと来るか来ないかおみなごの
祈りを包みて薔薇ぞ微笑む

■緑なる風にそよぐは木漏れ日の
粒と見紛う雛の臼壷

■水を出で夕べになればいのちの火
燃やして果てるほたるぞ哀しき

■妖精の手摘みを待ちて薔薇の花
淡きその色褪せることなしや

■悠久のときを見つめてハルニレの
木肌に人のぬくもり宿して

■長雨に森の隠れ家ほとぶれて
栗鼠の親子の尾も濡れぼそる

■親栗鼠と別れてひとり生きる森
野生の性(さが)よ逞しくあれ

■梅雨明けの空の青さに負けまいと
薔薇誇らしげに頭をあげむ

■薄絹の衣纏いて薔薇一輪
薫りて輝く梅雨空の下

■窓開けて流れいるその温(あたたか)き
風に聞こえる地球の叫び

■天の川森を見下ろし悠久の
夢をつなげと星を降らせむ

■夏の日の野を飾らむと次々に
紅咲き染むる蔓薔薇の妙

■若き日の君の瞳を紅(くれない)に
染めた蔓薔薇時に散るらむ

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